新たな自分でいっぱいにするよ

感想は自分のためのエンターテインメント

あなたを愛しているということ(「おおきく振りかぶって」の矢野淳の魅力について)

矢野淳くん、世界で1番大好きです。

矢野淳とは?

f:id:seigakupost:20180919211152j:plain
矢野淳(やのあつし)、通称ヤノジュンは、漫画「おおきく振りかぶって」に登場する高校球児。
美丞大狭山高校野球部所属、3年、(おそらく)副キャプテン、セカンド、背番号4、打順は3番。
7月3日生まれ、蟹座、O型。177cm69kg。兄弟構成は兄が1人、両親と祖父母と同居。(今は寮生活かも?)


基本プロフィールはざっとこんな感じです。
わたしは矢野くんのことが本当に本当に心の底から大好きで、「おおきく振りかぶって」12巻を読んで以来、世界で最も愛している人間のうちの一人です。
舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」を観て、改めて矢野くんが好きという気持ちが湧いてきてたまらなくなったため、如何に矢野くんが素晴らしいか、矢野くんのどこが好きかについて語りたいと思います。

(舞台での矢野くんについては別記事に書きましたのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。)
lookmusical.hatenablog.com

ビジュアル編

顔!!!! 顔の話をします!!!!! まず顔より始めよって郭隗も言ってた!(言ってない)
まあ見てもらえば分かりますが、あのね、かっっっこいいんですよ……。
キリッとしたつり目、高校球児にしては長めの短髪、黒髪。授業中に黒ぶち眼鏡をかけていてほしい~!(突然のメガネフェチ失礼)
前髪の長さに反して襟足が短く刈り揃えられているところも大変キュートです。素晴らしい首筋です。
あと、私見で大変恐縮ですが、177cmってめちゃくちゃ理想の身長じゃないですか? 坂田銀時銀魂)とか影浦雅人(ワートリ)とかと同じ!
体つきもがっしりとして筋肉質です。流石県内ベスト8の3番バッター。打席に立ってるコマなどを見てもらえれば分かりますが、本当に肩とかしっかりしています。

f:id:seigakupost:20190703125156j:plain
ひぐちアサおおきく振りかぶって』12巻、講談社、2016(電子版)、92ページ

また忘れてはいけないのが、矢野くんの西浦戦初打席、ビデオで見たシュートの球筋を思い出している場面の表情。アニメでめちゃくちゃキュートに作画されてて度肝を抜かされました。普段キリッとしてるだけにギャップが効いた。
後述の性格編でも言及しますが、矢野くんって強くて正しくてかっこいいだけじゃなくって、ちゃんと''男子高校生''なんですよね。そういう「等身大」感に惚れ惚れとしてしまいます。

実力編

矢野くんは野球センスもピカイチです!
何せ、本作品の主人公である三橋の癖玉を初めてまともに打ち返した相手なのです(打ち慣れてる三星組は除く、慎吾さんは打ち損じ、佐倉は''勝負''に負けたので除外)。
それ以外でも西浦戦では積極的に点に絡んでおり、主人公たちを苦しめています。
打順は3番、守備も上手い(遊撃手である川島との連携を西浦側から「プロじゃねんだから!」とまで褒め称えられています)。
それと、作中で明言はされていませんが、おそらく副キャプテンです。根拠は、新聞の取材にキャプテンである和田と並び監督に肩を組まれて写っていること、チームミーティングに投手組・捕手組・キャプテンに混ざり参加していることです。

f:id:seigakupost:20190703125745j:plain
新聞記事の写真に写る矢野くん(ひぐちアサおおきく振りかぶって』11巻、講談社、2016(電子版)、144ページ)
また、これは性格編とリンクするんですが、プレースタイルにまっすぐで不器用な人間性が滲み出ています。
西浦側のサインが美丞に盗まれているとバレる決定打となったのは矢野くんの打席です(真面目で不器用な性格ゆえに!)。
サイン読んでそのまま打っちゃうからバレたんですよ。常に直球勝負で駆け引き下手なんです。その前に川島くんの駆け引き上手な描写が挟まれているので、ことさら矢野くんの不器用さが際立っています。
この打席では犠打の指示が出てるのに打席に立っている間にうっかり指示を忘れて普通にヒットを打って監督に睨まれており、本当にめちゃくちゃまっすぐでかわいい……。

性格編

ここがメインです、矢野くんの一番の魅力はその人間性です!

「塁上でまた危険なプレーしたらその場でお前降ろすよう監督に言うぞ」
「お前はもしかしたら誰よりも勝ちてーのかもしんねーけどルールギリギリのプレーするたびお前はオレ達や監督の顔に泥ぬってんだかんな」
「自分にも だぞ」
「胸はって勝とーぜ!」

分かりますか、この、まっすぐさ……。
これは矢野くんが、自チームの正捕手である倉田が故意にラフプレーをしていると気づいて忠告している場面での台詞です。
おそらくチームで唯一、矢野くんのみが不正に確信を持っており、かつ、矢野くんのみが忠告しているのです。
このですね〜〜〜、この、正しさと実直さと覚悟!
矢野くんは、自分の中に確固たる「正しさ」の軸があり、それを貫ける覚悟を持っています。
チームメイトが倫理に反することをしていたとして、普通はそれを真正面から指摘したら相手から恨まれるかもしれないと考えるはずです。また、不正を正したとして、もしかしたらチームメイトにも疎まれる可能性もあります(何故なら、今までそれで勝てていたのだから)。
それでも自己の尺度に照らして「正しいこと」を貫き、それによる不利益を被るだけの覚悟で発言している。直接まっすぐ伝えるあたりに矢野くんの不器用さが見て取れます。
同時に、これは倉田とチームメイトに対する信頼でもあります。「分かってくれる」と信じているということです。釘を指すけど信頼もしているのです。
ジャッジメンタルなだけの男ではないしエモーショナルに傾倒するばかりでもない、両方を持ち合わせた、非常に優れたバランス感覚の持ち主です。

同じく、矢野くんの持つ相手への厳しさと信頼の同居が如実に表れている台詞が、「しっかりな!」です。
これは、倉田がサードランナーとして塁上にいていよいよ次が得点のチャンス、イコール、またクロスプレーが発生する確率が高いという場面で、矢野くんが倉田にかける台詞です。
つまり、「見てるからな」と「信頼してるぞ」の両方の意味合いが込められているのです。それを口に出してしっかりと相手に伝えるところ、本当に美徳ですよ……。
(因みに、矢野くんの厳しさについては、投手の鹿島から「お前たまには人ほめたらどう?」と言われていることから、普段から他人に厳しいんだろうなーと窺い知ることができます。)

その反面、倉田が西浦との試合で意図せず相手捕手に怪我をさせてしまった時には、弁明する倉田に対し「近くで見てたから分かってる。引きずんな!」とフォローし、「お前は大丈夫か?腕踏まれたんじゃねーのか?」と心配しています。
倉田がラフプレーをやっていたことを知っていながら、今回はわざとではないと理解して、「それはそれ」として物事を切り替えて判断することができる。厳しいだけではなく、きっぱりしていて潔くて、情に厚く公平、誠実で面倒見が良い、仲間想いで心がまっすぐで素晴らしい人なんです。

矢野くんはこのように大変素晴らしい人間ですし、そのことは一点も疑う余地がありません。その上更に、試合中のベンチで冗談を言って爆笑してるところを監督から他選手とひとまとめに怒られたり、新聞の取材写真に満面の笑みで映っていたりする、ごく普通の高校男児の一面も持ち合わせています。めちゃくちゃ完璧なようでいてこの普通さ、親(作者)であるひぐちアサ先生のバランス感覚が本当にすごい。


ついでに、これは完全に蛇足の妄想ですが、個人的に矢野くんは桐青の島崎慎吾さんと気が合うと思っている(矢野くんと和さんが本質的に似てるから)ので、同じ大学に進んで野球部(''サークル''でなく''部'')で出会って仲良くしてほしいです。
あと、祖父母と同居だからきっと老人に優しいんだよ……。


以上、矢野くんの魅力について語らせていただきましたが、どうでしょう、伝わりましたでしょうか?
正直に申し上げて、矢野くんの魅力はわたしの言葉では語りきれていないと思うので、ひぐちアサ先生による素晴らしい原作を読み、その原作への多大なリスペクトをひしひしと感じる素晴らしいアニメを見ていただいて、矢野淳(cv.阿部敦)に打ちのめされてほしいところです。矢野くんは本当にとてもとても素晴らしい人間なので……。
おおきく振りかぶって」という作品に触れたことがない人も、通ったけれど何故か矢野くんをスルーしてしまった人(!)も、できれば矢野くんの素晴らしさを頭の片隅に置きつつ、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、わたしは、自分自身がこの素晴らしい作品に出会い、更にその中でこの世で一番好きな人間と出会えたことを奇跡のような幸福だと思っています。
矢野淳という存在がこの世にいること、おおきく振りかぶってという漫画があること、それがアニメになったこと、更に2018年に舞台作品となり、新規の「矢野淳」が提示され、改めてこうして向き合うことができたこと、全てがこの上ない幸福です。原作・アニメ・舞台に係わった全ての人に感謝いたします。

今年も来年も再来年も、今までもこれからも、ずっと先まで、矢野くんのことが大好きです。