ノーランの秋
9月にインセプション、インターステラー、メメントを映画館で観たので経緯と簡単な感想をだらっと書き残しておきます。
半分くらいは「IMAXレーザーGTがすごく良い」という話です。
因みに特にノーラン好きというわけでもなく、今までに観たことあるのはメメントのみでした。
インセプション(IMAXレーザーGT、TENET予告)
池袋グランドシネマサンシャインで鑑賞。
当初はまったく観る予定はありませんでした。が、Twitterの観測範囲で絶賛されていたので「そんなに良いなら観に行こうかな」と興味を持ちました。チョロイン。
元々IMAXが何なのかもよく分かっていなかったのですが(そして今も完全には理解できてないのですが)、「グランドシネマサンシャインのIMAXスクリーンはビル6階分の縦幅がある」という情報につられてチケットを購入いたしました。
↓ここからIMAXレーザーGTのダイマ
この、グランドシネマサンシャインのシアター12がとにかく良かったという話なんですけど……。
映画に詳しい人たちは「知っとるわい」という感じだと思いますが、たいへん感銘を受けました。良い。
具体的には、グランドシネマサンシャインが提供しているのは「IMAXレーザーGT」という技術で、これがあるのは全国でも東京の池袋グランドシネマサンシャインと大阪の109シネマズ大阪エキスポシティの2箇所のみ*1だそうです。「全国に2箇所のみ」という響きが既に良いですよね。バリバリに特別感ある。
で、この2つの劇場だけが日本でフィルムIMAXのフルスクリーン(下画像左上)を提供できるわけですが、具体的にどう特別なのかというと、もう見たまんま、全然比率が違います。
料金は通常スクリーンにプラス700円の値段設定のため基本2,500円*2とお高めですが、レディースデイのような割引き日だと1900円で観られますし、それだけ払う価値があります、というのが鑑賞後の感想です。
まずインセプションの上映前にTENETの冒頭が予告として流されましたが、IMAXレーザーGTのスクリーンで観るTENETが凄まじい技術に基づく圧のある映像体験だったのでめちゃくちゃに怯えました。
インセプションIMAX、その前のフルIMAXテネットの映像が凄すぎたので凄すぎたというかあまりの映像体験に怯怯怯怯という感じだったので相対的にそんなに……というところがあった 音響はめちゃくちゃ良かった最高
— るく (@looken_33) 2020年9月2日
フルIMAXのテネットは映画というよりアトラクションだったしスクリーンなどないかのように目前に浮かび上がって超怖かった あれ2時間耐えられるかな でも観るならぜったいIMAXで観たいな 評判次第では観ます
— るく (@looken_33) 2020年9月2日
映像に怯えながら、脳裏にあったのはガラスのイメージです。
普段観ている通常映画のスクリーンが普通のガラスだとすると、IMAXレーザーGTのTENETは大掃除で新聞紙を使って懇切丁寧に磨き上げたピカピカのガラスです。「ガラスがあるのは分かってるんだけどそう思えなくて手を伸ばすのに躊躇する」感じです。垣根などないかのように目前に映像が浮かび上がるのです。それがとても怖かったです。
上のツイートでも書いてますが、TENET予告の映像体験があまりに凄まじくて、インセプション本編は若干物足りなさがありました。インセプションはフィルムIMAX撮影じゃないのでフルIMAXスクリーンの利は活かされないんですよね。
ただ音はものすごく良かったのでそこで満足感を得られました。4DXかというくらい座席が音で振動します。たいへん臨場感がありました。この音が忘れられない。本当に良かったです。
↑ここまでIMAXレーザーGTのダイマ
にわかにもほどがあるけどあまりにも良かったので宣伝を差し挟んでしまいました。行ったことない人は是非体験してほしいです。推します。
本編の感想は、メメントよりもぐっと大衆向けに盛り上がる作品になっているな~と思いました。難しいのは難しいけどちゃんと展開追えるし楽しめて良かったです。
「最後のコマの演出が」という話は断片的に大量に聞きかじっていたので、最後のコマで何か粋な演出があるんだろうなあと思っていたのですが、実際観た感想は「何でそんなことするの!?」でした。すっきり終わりじゃ駄目でしたか!? コブはともかくサイトーはちゃんと現実に戻れていてほしいよ!
で、「インセプション面白かったしもっとノーラン作品観ようかな、次はフルIMAXの映像が良いな」と思い、続けてノーラン作品を観ることにしたのでした。
インターステラー
同じくグランドシネマサンシャインで鑑賞。
今度こそIMAXのフルスクリーンでIMAXフィルムを観るぞ~!と意気込んでチケットを購入。
観てから知りましたが、全編フルIMAXではないんですね。ここぞ!というときに画面が拡張されて画角が広がる仕様でした。アトラクション感が増し増し。
予約時点でいい席(中央後方)が埋まっていたので後方のサイドブロック席を選びましたが、常にスクリーンの境目が視界に入るのでせっかくのIMAXなのに没入感がいまひとつでした。ド真ん中の方が良いです。
初見あんなに怯えていたTENET予告も斜めから観るとそんなに怖くなかったです。単に2回目の慣れかもしれません。
初見時は最後列でも2時間鑑賞するの無理では?と思いましたが、この分なら最後列よりやや前方(と言っても後ろですが)の席でも行けるかもしれないと思いました。
話は、宇宙モノだということ以外まったく内容を知らなくて、何となく「爽やか宇宙活劇」だと思っていたので途中から「おや……?」となりました。
それから「そういえばメメントの人だしインセプションだってラストでああだったじゃん!」と気づき、いつ凄惨に望みが断たれるかと逐一怯えていました。最終的に爽やかな読後感で安心しました。
中盤の盛り上がりがすごかったですね。かなりハラハラと楽しめました。終盤はぶっ飛んでるなーという印象で、個人的にはインセプションの方が好きです。
メメント
インセプションしみじみ良かったんですけど、多分家で観ても集中できず細切れになって「よく分からなかった」とか言ってたと思うので映画館で観てほんとうに良かった ということはもしかしてメメントも映画館で観たほうが面白いのか?
— るく (@looken_33) 2020年9月3日
ということで観てきました。渋谷シネクイントの2周年記念上映でした。
結論から言うと映画館で観てもメメントはややこしかったです。ナタリーが繰り返し家に帰ってくるところで混乱しちゃう。
ただ、以前観たときは「結局テディの言葉のどこまでが真実かは分からないよね?」とモヤっとしましたが、今回観ると、そもそも敢えて分からないように撮ってるし、真実がどうあれレナードが自分のために(妻の仇としてでなく)殺人犯になることを「選んだ」という事実が重要なのかなと思いました。
以上、ノーランの9月でした。
おそらくこれを読んだ人は「TENETは?」と思われるでしょうが(というか自分で思っていますが)、迷っています。
この流れなら観なよ!と思うし、折角IMAXレーザーGTを提供する映画館がアクセス圏内にあるので観ておきたい……けど……ウウーン。
そのうち「折角だから」で観るような気はしているので、もし観たらここに追記しますね。
とにかくわたしに言えることは、IMAXを観る予定で地の利がある人は、池袋グランドシネマサンシャインか109シネマズ大阪エキスポシティを選ぶのがおすすめということです。